ことりつぎ

最近、ネットを徘徊して見つけたのがこれである。


「誰でも本屋が作れる仕組み」と謳っており、
非常に興味深い。この仕組みに、私は色々な思索を巡らせてみた。未完成では有るが、この事業の成り行きに注目をして行きたい。

(メリット)
・experience without ‥.
これが、実は要であり、肝要と考える。

創業者のインタビューの中で、
感覚における慣れが担うところが
(人々の生活や購入活動への影響は)
大きいと述べられ、
その機会を増やしたいと仰っていた。


エンドユーザーと取次事業者が関わる際、
彼らは、デジタルの呪縛を逃れている。
つまり、取次事業者の
事業所の一角にある書棚で、
書棚を手に出来る。
エンドユーザーにとっては、
デジタル機器の接触はほぼ無く、
書店とは異なる、購入だけでは無く、
アドバイス、助言など得る可能性があるだろう。

生の声をお互いが聞けて、時に共感を生み、
驚きや体験が伝播する可能性に期待が高まる。

・販売拠点の拡大
現在、書店は縮小傾向となっており、
それに伴い、出版全体もそのトレンドに
従っていると考えられる。
創業者の彼も、本そのものが消える事への危機感が、
この事業のきっかけとも語っている。

一つの取次事業者の取引高は、
街の書店と比較したら、
大きな額になるとも言えない。
また、事業者の利益は、
事業にとって変わると言うのも
考えにくい。

また消費者も、IT機器で書籍が買えることも、
取次事業者とコミュニケーションを取るのも、
不可能ではない。

それでも、取次事業者が増える事は、
新たなコミュニケーションの
ニーズを捉えているだろう。

・レコメンド機能
エンドユーザーは、
取次ユーザーの厳しい目利きを
潜り抜けて来た本を提示して貰える。
取次ユーザーは、販売する書籍に与信を与え、
その与信の元、購入の判断を
エンドユーザー側に委ねられるが、
一定の安心感は、ここで補えるだろう。

(デメリット・懸念点)
・(大型、若しくは、近所の)書店とのバランス
・Web上の書店との関係性
・既存の商慣行との兼ね合い

総じて、このアイディアは、所謂、
「枯れた技術の水平展開」の最良の形かも知れない。

「本」という、この世で
情報が纏った手軽なメディアと、
「アプリ」によって、
販売、流通を管理を可能とし、
「取次」という、
誰もが行ったであろう社会的な行為を
見事にデザイン構築した
彼らの勇気と労力に乾杯であり、完敗である。